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大規模災害に学ぶ「想定」の難しさに思う事。皆様は?【台風15号・千葉被害】

9月9日午前5時前頃に千葉県千葉市付近に上陸した台風15号。非常に強い勢力(カテゴリー4レベルの風速とされた)を保ったまま関東の至近距離まで接近するのは非常に珍しく、千葉市付近に上陸する時の勢力が中心気圧960hPa・最大風速40m/sと非常に強く、関東上陸時の勢力では過去最強クラスとなる台風だったようです。

 

 

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今日、9月19日現在も、被害の件数や規模などが把握できていない地域が多く存在しており、館山市では、市役所の確認で非公式ではあるものの、1万個以上の家屋損壊が発生しているとの情報が入ってきているなど、千葉県南部を中心とした家屋の被害は甚大であります。

 

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停電の為に、酷暑にもかかわらずエアコンや扇風機も使えず、夜になると車のライト以外に明かりが無く、真っ暗である街が多く存在しています。鋸南町をはじめとする房総半島の多くのエリアで固定電話や3大キャリアの回線が途絶えており、停電により水道ポンプが動かず、断水も発生しています。多くのガソリンスタンドでは、ポンプが動かず給油ができず、断水により身体も洗えず、刻々と食料なども尽きてゆく状況となっており、住民の生活に多大な影響を及ぼしております。

 

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東京電力は、当初10日の段階で、全面復旧は「11日中」との見方を示しましたが、翌11日には「13日以降にずれ込む」と修正。そして13日には「最長でおおむね27日まで」と、再三に渡って復旧の見通しを修正しています。これに対し、住民からは不満の声が上がりました。

 

 

利用者に安心を届ける為に情報を早く伝えようと「台風の規模が今まで以上に大きいことをしっかり考慮できず、全容把握がままならないまま過小な想定をしてしまった」と反省を示しておりますが、この発表により、結果的に住民の混乱を招いた形となってしまいました。

 

 

東電によれば、復旧の見通しは現場の状況を徹底的に調査した上で算出するものではなく、これまで経験している災害の被害規模をもとに1日の作業量を加味して出しており、あくまでも想定の域を出ないものだ、としています。今回は、電柱の倒壊が相次いでいる事と、土砂崩れや倒木で現場に入れないといった「想定外」が重なり、修正を強いられた。「すべての状況を把握した上で見通しを示すと、発信がかなり遅くなる。今後、どう説明していけばよいのかしっかり検討したい」と東京電力は語っております。

 

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  だが、今回のような甚大な被害を受けている場合には、まず『最短の想定』ではなく『最悪の想定』をする事が大事だったのではないでしょうか。東電側からすれば、住民に安心感を持ってもらう為に最短の復旧情報を最速に伝える、というのが使命かも知れませんが、その想定を聞いた側からすれば、最低でもそこまでの準備をすれば大丈夫だ、という過酷な状況の中でも、ある意味の“安心感”が出るものと思われます。それが結果的に、延ばし延ばし、となれば不安や不満が出るのはごく普通の事だと思われます。

 

 

停電の中、情報を発信する側も難しいとは思いますが、当初から『最悪の想定』を示していれば、被害にあった住民自身が何を準備しなければならない、これを助け求めなければならない、周りはこれを援助しなければならない、などともっと事前に準備する事が出来たのではないでしょうか。

 

 

復旧の見通しを示すのが早ければ正確性を欠き、遅ければ不安を招く事になる、というのは大規模災害には付きものだとは思いますが、一番大事なのは住民の安全・安心だと思います。自然災害なだけに、住民も一方的に行政などを責めるという事も無いと思います。なのでせめて“情報”としては、住民・行政がお互いに協力できるという体制を作れるように発信して頂きたいと改めて思いました。

 

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住民はもちろん、行政や東電をはじめ、その他関係者も一日も早い復旧を望んでいると思います。

 

 

被害状況や復旧見込みなどを発表する側も非常に大変な事だと思いますが、“出来る事”“出来ないかも知れない事”を正直に伝え、ここは協力してください、などと事前に発信する事も重要な事ではないかと考えます。

 

 

多くの芸能人が被災地に訪れたり支援をする中、被害の当事者である森田千葉県知事は「自然との闘いでございます。全部想定通りにはいかない。自然とは予測がつかないんです」「やみくもに早くいくのではなく、県の体制をしっかりしてから来た」東電には「不眠不休でやって欲しい」などと発言し、千葉県が市町村の職員を派遣したのが4日後の12日、知事自身の被災地視察は、小泉進次郎環境相よりは早かったものの、6日後の9月14日、という事が、ある意味今回の混乱の発端ではないかと思ってしまうのは私だけではないと思います。

  

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 起きてしまったのは自然災害。今回の事に限らず、行政が悪い、復旧する業者が悪い、誰が悪い、というのではなく、お互いできる事出来ない事を発信し、被害にあわれなかった方々も含め、全員で協力し合う事が何よりも大事なのではないでしょうか。

 

賛否両論あるのは当然だとは思いますが、皆様は今回の台風被害の対応についてどうお考えでしょうか。

 

被害にあった方々、その関係者の方々には、一日も早く以前と変わらぬ生活を取り戻して頂きたいと願います。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございました。